ブック2

□不佐久
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ここは病院のベッドの上。
上を見上げれば真っ白な天井がある
そんな何のへんてつもない天井をずっと、ただひたすらぼーっと眺めているだけ。


それが今の俺の日常

両手をひろげ、包帯で何重にも巻かれた腕を見つめる
敗者のあかしだ。


雷門イレブンに負け
帝国学園のサッカー部にかかせない俺の憧れの人をあいつらは取っていった


―サッカーやろうぜ!

その一言で、鬼道は俺たちの元を去って行った。


俺たちの言葉では動かせなかった鬼道の気持ちを

あいつは、円堂はたった一言で動かした


悔しかった
悲しかった

誰よりも側にいたのに
鬼道を支えたのは俺なのに

そんな絶望感と敗北感が入り交じった気持ちの中
俺たちは力を求めた

鬼道を、いや…それ以上を超す完璧な力を。


そこで出会ったのが
エイリア石だった

それを手にした瞬間
俺の中に隠れている何かが身体中を走った。


これなら、これなら鬼道に勝てる

そう確信した


雷門イレブンとの試合になり、鬼道は驚いた表情でこちらを見た。

それを見た瞬間、優越感に浸されたまらなく気持ちよかった


自らを犠牲にしてまでも、俺はボールを蹴り続けた。


だが結果は敗北に終わった。

その結果が今の自分だ
―俺が強ければ、鬼道をぬかせる力があれば…っ



血が出るかと思うくらい、唇をきゅっと噛みしめた。


横を見れば、チームのみんながお見舞いに買ってきてくれた果物の詰め合わせが窓枠の小さなテーブルにぽつんと置いてあった。


そのすぐ近くに置いてあった果物ナイフが目にうつった

ゆっくりと手を伸ばし、ナイフを手に取る


窓から反射した日に当たり、ぎらっと鋭く光るナイフの先端をしばらく見つめると、ゆっくりと手首に持っていく。


「余計な事はしないほうがいいぜぇ?」


手首を切りつけようとしたその時だった。

病室のドアから少し高めの声が俺の動く手を制御した

ゆっくり振り返ると、ドアに寄りかかり、にやりと怪しげな笑みを浮かべている不動がこちらを見ていた。


「…なんの用だ」

「べっつにー、ただお前が何してるか見に来ただけだぜ?」


そう言うと俺の寝ているベッドにゆっくりと足音を立てて近づいてきた。

「…っ近づくな!」


大きく腕を振り上げた瞬間、不動の手が佐久間の手首を掴んだ


とっさに不動がもう片方のナイフを持っている手を叩き、手から離させた

カランカラン…と床に落ちたナイフの音が、静かな病室にゆっくり響いていく。



「っ…はなせ!!さわるんじゃない!」


手を激しく振るが、不動は佐久間の細い手首を離そうとしない。

むしろ手首にどんどん力を込めていく


そのあまりの痛さに佐久間は顔を鈍く歪ませた。

「何勝手に死のうとしてんだよ」

「うるさい!お前には関係ないだろ!?」

「ぎゃーぎゃーうるせぇな、近所迷惑って知らないのか?」

「…ほっといてくれ…っ」

―これ以上、関わらないでくれ。


視界が涙で歪み、ゆっくりと自然に涙が頬を伝っていた。


「なんだぁ?泣いてんのか?佐久間ちゃん」

目の前に不動の手がにゅっとあらわれると顎を強く掴まれ、ぐいっと上に向かされる佐久間の顔


そんな佐久間の泣き顔を見て、自然と口元が緩む不動の顔を見ると

佐久間は急いで視線をそらした。


「へぇ…泣き顔可愛いな」
「…うるさい」

「恐怖に歪んだ顔もいいけど…泣き顔もいいなぁ?」


刹那、頬に感じるぬるっとした生温かいものが佐久間の頬を舐めていた

咄嗟に横に視線をやると

不動の真っ赤な長い舌が佐久間の涙を拭うように

頬から目元にかけてゆっくりと、涙を舐めていた。


「…ひっ」


ぬるっとしたなれない感触に、ぶるっと体を震わせ
口元からは小さな悲鳴が零れた。

背筋と額にすー…っと、ゆっくり流れる冷や汗の感覚が感じとれる


「な、なにして…っ!!」


言葉をいい終わる前に
不動が佐久間の華奢な肩を捕まえ、思い切りベッドへ押し倒す。


佐久間は突然の事に思考が追いつかず、目を大きく見開き不動を見つめていた



「いい顔だな、佐久間ちゃん?」

「やっやめろ!はなせ!」


佐久間は抵抗を心みるが、まだ治りきっていない佐久間の体にそんな力は残っていなかった


「痛みと快楽、どっちがいい?」

「な、なに言って…っ」


突然、佐久間の手首を掴んでいる不動の手に力がはいる

手首にある佐久間の傷口を抉るように、不動は容赦なく力をいれる


「いっ…痛い!不動痛いッッ」

佐久間の顔は痛みで歪み、目元にはうっすらと涙がうかんでいた。



「仕方ないなぁ…じゃあ今日は特別、快感にしてやるよ」


不動は佐久間の耳元に唇を寄せて、いやらしく吐息をかけた。


刹那、佐久間の身体がびくんと跳ね、「あっ」と小さく声を漏らす。


「…安心しろ、天国見せてやるよ」



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「…ぁ…あぁあ……っ!!」

静かな病室に、佐久間の喘ぎ声といやらしい行為の音だけが響いている。


「は、はぁ…っ」

佐久間の細い腰を掴み、
まだ慣れていない佐久間の小さなアナルに不動のびんびんに勃っている性器ががつがつと掻き回すように突いている。


「ぁ、ぁっあ!!…んっぅ……いやあぁ…っ!」


「は、無理やり犯されて気持ちいいのかっ?」


「はぁっ、くっぅ……気持ち…よくなぃい…!」


感じた事のない快感から、佐久間の目からは涙が溢れ
口からはだらしなくよだれがたれてベッドのシーツに染みていた。


「はぁ、ぁあ…っ、くっぅ…ッッ」

佐久間は少しでも快感を紛れさせようと、口元にあるシーツを強く噛みしめ、真っ白な布団を握りしめた。

「なんだよ、気持ちいいんだろ?はっ…なら我慢すんなよ…っ」


不動は布団を掴んでいる佐久間の手をとり、両腕を後ろに引っ張った。


不動の性器は余計奥に挿入され、よりいっそう激しく腰を動かした。


「ああ!!ぃや…ぁ、やめてぇ……苦しいよぉ…っ!」



無意識に佐久間の足の指はシーツを掴み、快感から逃れようとしていた。


「はぁあ……イっちゃ、イっちゃぅ…ッッ!!」


「イけよ、淫乱…っ」


不動は佐久間の腰を掴みなおすと、容赦なく腰を激しく動かした。


ぱんっぱんっと、病室に皮膚と皮膚がぶつかる音が響き、そしてよりいっそう佐久間の喘ぎ声が大きくなった。


絶頂が近づくと同時に、アナルの中はびくびくと震え佐久間は頭を振って悶えだした。



「…ぁっ、ひあぁあぁあ…っッッ!」


佐久間は震える声でだらしなく声をあげると、どぷっとベッドのシーツに勢いよく濃い精液を射精した。


「くっ…ぁ、」


不動は佐久間の中で果てることはせずにすぐに自身を抜き去ると、すかさず佐久間の髪を引き、汗と涙とよだれでぐちゃぐちゃになった顔に勢いよく精液をぶちまけた。

「あ…、ふ」

呼吸も整わない佐久間は呆然と、それこそ何が起こっているのか理解できないようで、橙の瞳だけが大きく見開かれた。

褐色の肌に俺の放った白濁が良く映えて、じっと佐久間の顔を見つめると、

徐々に意識が戻ってきたのか険悪な光がその隻眼に宿る。


「…気持ち良かっただろ?明日からも天国見せてやるからな」

そういうと不動は服を着て、ベッドでうなだれている佐久間を尻目に病室を出ていった。




(弱い者ほど)(強い力をほしがる)

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