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□嫉妬
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ここは、エクソシストを育てるための学校。
そこに一人だけ特例で悪魔の子供である、奥村燐が通い始めた。それを知った雪男は内心喜んでいた。けれど、少しずつ状況が悪くなり始めたのは、いつからだったか・・・。

嫉妬

「奥村君は、ほんまに料理上手なんやねぇ。」
「見た目はこんななのにな。」
教室に入った雪男が見たのは、最愛の兄である燐と、楽しそうに弁当を食べている志摩と勝呂の姿。そんな中で楽しそうにしている燐の姿を見た瞬間雪男は思わず、銃を抜き発砲しそうになった。しかしそこは流石、学校の教師。ぐっと堪え、燐の様子を考えた。
(なんで、兄さんはあんなに楽しそうなんだろう?僕が何を考えているのか知らないのか?)
これでも、何度か燐にそれらしいことを伝えたことがあるのだ。それなのに、兄は平然と答えを返してくる。
(もしかして・・・家族愛で言ってると思ってるとか?)
それなら、ありえる。雪男はそのことに思わず溜息を漏らしてしまった。
気づかないのは、本人ばかりなり。
「兄さん、ちょっといい?」
考えている間にも、志摩や勝呂と楽しそうにしている燐に業を煮やして、ついに兄を呼び寄せた。
「ん?なんだよ、雪男?」
燐は、不思議そうに首をかしげながらも僕の近くにやってくる。ふと、視線を感じてそちらを向くと、志摩と勝呂がこちらを睨んでいた。どうやら、彼らも燐に気があったらしい。
(兄さんは、僕のものだ。僕だけの!)
「兄さん、今日もおいしい弁当ありがとね?」
雪男がそういうと、燐は一瞬きょとんとしたが、すぐに満面の笑みを浮かべた。
「おう!明日も作ってやるからな!」
「うん。楽しみにしてるね」
そんな雪男と燐の姿を見て、志摩と勝呂は嫉妬した。
つまりは・・・
“燐はみんなに愛される人”。という事かな?
                END
 

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