短編

気になるあの先輩
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いつのまにか、


あたしの中で…、






気になるあの先輩






あの先輩に会ったのは、つい先日のこと。


「ねぇねぇ沙織、今日の放課後さ、剣道部ちょっとのぞきに行かない?」


親友の由紀にお昼休みに言われた。


「…剣道部?」


うちの剣道部はものすごく強くて、夏にある大会では毎年毎年全国まで行っている。


「そう!美男子が集まってる、ってきくじゃない?ちょっと見てみたくってね〜。」


…この面食いめ。



「…別に良いよ。」



いくら美男子揃いだろうと、興味などまったくもってない。由紀が行こう、なんて言わなかったら、見に行くことなんてなかっただろう。



彼と出会うこともなかった。




―--




放課後になり、体育館に向かえばそこには黄色い声を上げる女子軍団。



え、何?いつもこんな感じなの?そんなカッコイイの?その人たち。




ちょとだけみたいかも、と思ったけど、この女子の大群の中を抜けて彼らたちにたどり着ける自信はあたしにはない。だけど由紀にはあるようで。




「行ってくる…!!!」



「いってらっしゃーい」




力強く言った由紀に対して、脱力気味で言った。そんなあたしを人睨みして、彼女はあの大群の中に姿を消した。


由紀が帰って来るまで、体育館裏にある階段に腰をおろして待ってることにした。




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