短編

怒る≠嫌い
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「馬鹿野郎!!お前は何してんだよ!!」


「はぁ!?何で平助にそんなこと言われなきゃいけないの!?」


「てか、何でまず俺に言わねぇんだよ!!」


「そんな時間なかったの!!しょうがないでしょ!?人の命かかってんの!間違ったことはしてないわ!!」


「…!!そうかよ!勝手にしろ!!」



「言われなくても勝手にするわ!」



そう言い捨てて新選組屯所を出て行った。






怒る≠嫌い






彼氏の平助と喧嘩した。喧嘩した理由は、今から2時間前にさかのぼる。




午後10時



すっかり日も暮れ、京は暗闇に包まれた。


平助今何してるかな…とか考えて布団に入った。

新選組、八番組組長、藤堂平助。

あたしは彼と付き合っている。もうそろそろ1年になるかな。変な人に絡まれてるのを助けてもらって、あたしの一目ぼれだった。


それから、なんとか口実をつけて、彼に会いに行って、当たって砕けろ作戦で告白したら、まさかのOK。


あたしは、新選組屯所のすぐそばで一人暮らししている。


説明はこのくらいで…。



あー。寝む。


瞼がどんどん重くなってきたその時、



「キャー!!」



女の人の叫び声がした。


「な、なに…?」


さすがに怖かった。こんな夜中に。


だけど、その叫び声は一向に止まず、刀を腰に差して外へ出た。護身術は一応だが心得ている。最近は平助にも教えてもらってちょっとは形になっている。



叫び声がするほうへゆっくり、息をひそめて近づいた。



そこは人が全然通ることのない細い裏道。



「…ッ」



女の人が3人の男に襲われていた。




「ッやめて!!だ、誰かー!!」



「いい加減静かにしやがれ!」




ずっと抵抗している女の人に向かて男が刀を向ける。それにおびえ、女のひとは力が入らなくなったのか、ずるずると座り込む。




ど、どうしよう。平助を呼びに行くか?

駄目。間に合わない。呼びに行ってる間にこの女の人は殺されちゃうかもしれない。


あたしが、助けなきゃ…!!





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