喧嘩対処法
□脳フル回転中
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一真に連れられ、公園に来た。
ベンチに座って何故か雑談。
「……平助さ、…沙織と何かあった…?」
そうだった。
一真は良く周りを見る人だ。
「……何で?」
「……何か…、沙織最近元気ないし。…お前ら全然喋ってないし。」
駄目だ。
隠せないよ、な…。
30,脳フル回転中
「……へー。」
あったことを全て一真に話した。沙織には申し訳ない気がしたけど…。
全て話し終われば、一真は微妙な反応をした。
あれ?まだ一真は沙織の事、好きなのか…?
「……で、…どうすんの?平助、」
「…どう、って……。別に…。」
自分でも思った。かなり曖昧な返事だ、
「別に、って…。……沙織は待ってるんじゃないの?返事。」
「…」
確かに。
でも、自分の中で返事が決まってないのも確かだった。
「……俺、…まだ好きだよ。沙織の事。」
その言葉に、ドクンと心臓が大きく鳴って、冷や汗が滲みでる。
「………2人が両想いなら、沙織を奪おうとか、そんな事は思わないけど。………平助がこんなのんびりしてるんだったら、…容赦なく奪うよ?」
奪う…?
うばう…?
ウバウ…?
「ふざけんなッ!!」
……あれ?
………今、…俺が言った…?
「……平助って…。ほんと、馬鹿だよね。」
「は!?」
「…………ほんと、馬鹿だよ。」
「だから何だよ!!いきなり!!」
「……じゃ、俺そろそろ帰るわ。」
そう言って、ベンチから立ち上がった一真は俺に背を向けた。
「ちょ、おい!!てか、話しって結局なんだったんだよッ!!」
「…はぁ。……だから平助は俺に馬鹿って言われるんだよ」
「はぁ!!??」
マジ意味わかんねぇ。
頭をガシガシ掻きながらポケットに入っている携帯を出した。もうこんな時間だ、何て思ってもう一度ポケットにしまおうとしたけど…。
――‐
「…はぁ。」
あ、またため息吐いてる。なんて思ってベットにダイブ。
平助、あの時何言おうとしてたんだろう。
聞きたくなかったのに、気になってしょうがない。
何がしたいんだ、あたしは。
瞼が重くなってきてうとうとし始めた時、ベットの隅に置いてあった携帯が震えた。
放っておいても震えが止まらない携帯。どうやら電話のようだ。
相手の名前も見ないで電話に出た。
「……もしもし?」
あ、今のめっちゃ無愛想だ。
『あ、その、あ、…えーっと…お、れ…だけど…?』
う、そ…。
『…今、…駄目な感じだった…?』
きっと、電話に出た時の声が相当無愛想だったんだ。それを聞いて彼はそう言ったのだろう。
「だ、大丈夫!……だ、けど…。……えーっと…。」
『あ、…いや…別に、…これといって…用は、ないんだけどさ…。』
「う、ん…。」
体中が熱い。心拍数がどんどん上がっていく。手が震える。
『…な、んか……久しぶりに、…話ししたいな、って…。』
「…あ…、…うん。……久しぶり、だね。」
『………そういえば…、席、離れちゃったな。」
「あー…。…そだね。」
『…そっち、楽しい?』
「……うん。……一真も、いるし。」
『あ…。そう、だよな…。』
凄く、凄くぎこちない会話だ。お互い、探り合ってるようで。ドキドキは止まらないし。
「へい、すけ…、」
『……ん?』
「この前の……、……返事を…。」
たった今決心がついた。返事を聞こう。それに、直接より電話の方が気は楽だ。
『…………俺さ、…』
「…」
『……今まで…、…沙織のこと、そういう風にみたこと、…なくて……』
ドクンッ
「……う、ん」
『……だから、…』
「も、ういいよ。」
『え…?』
「…もう、いいよ。……分かった。……じゃ、…また明日、ね……」
『え⁉ちょっ‼待て ピッ』
平助の言葉も、聞かないで一方的に電話を切った。
『だから…』 あと後に続く言葉くらいあたしだって分かる。
どうせ、あの三文字なんでしょ?
-ごめん-
あーぁ。ふられちゃった。
体に力が入らなくて。今になって涙が溢れ出てきて、枕を押し付けて、声を殺して泣いた。
――‐
「……ちゃんと、伝わったの、か…?」
-だから…、もう少し時間くれないか?沙織の事、しっかり見てみるから。-
俺のあの気持ち、届いてれば良いけど…。
ジンクス
(今は、)
(まだ何も気づいちゃいない)
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もうこの際とことん切なくとことんすれ違いさせちゃおうかなと。
おほほ。