喧嘩対処法

近道を探す僕
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「……本当に、…どうした?…」


「…ッ」



目の前にある彼の目には、悲しみがあった。





26,近道を探す僕







「……ほ、んとうに…、…何でもないから…」


「…泣きながら言われても説得力無いぜ?」


「……ッもう本当にいいから!!どいてよッ!!」


「……やだ。」



苦しいんだよ。凄く凄く。


だけど、貴方はそれを知らないから、



「…もうこれ以上さ…、」


「…え?」


「…ッもうこれ以上、……駄目なんだよ…。」


「…何…が…、?」


これ以上、


貴方を好きになっちゃ駄目なんだ。



「…あたし……、平助の事…「わ、平助が沙織ちゃんの事襲ってる」…ッ!お、沖田先輩…!!」



階段から下りてくる沖田先輩。何があったか知らない人が、この状況だけをみたらそう思ってしまうのかもしれない。



「ごめん。邪魔だったね。」


すると、ニコッと笑顔に戻りそう言って階段を再び上り始めた。


平助を見てみればちょっと顔を赤くして沖田先輩に「ちげぇよ!!勘違いすんな!」と言っている。


今なら…、逃げられる。



「あッ!おい!!沙織!!待てよ!」



平助から逃れ、そのまま廊下を全力疾走。後ろから呼ぶ声が聞こえたけどそんなの無視だ。



「あれ?お楽しみ中だったんじゃないの?」


「だから!違うって言ってんだろ!!てか何だよ“お楽しみ中”って!!」


『あたし…、平助の事…、』


あの続きは何だ?沙織は俺に何を言おうとした?


沙織が分からない。


「…あーもう!!!」


何かむしゃくしゃしてきたから思いっきり叫べば、職員室から出てきた土方先生に「うるせぇ!廊下で叫ぶな!」と言われ頭を叩かれた。


「…総司のせいだからな」


「は?何で僕?」


どいつもこいつもムカつくなぁ!!!



―--



「…ハァ…ッ…ハァ……」



溢れ出てきた涙はそのままで、走って走って屋上に向かった。


扉を開ければムワッという表現が一番似合うであろう熱気があたしを包む。蝉の鳴き声は今はウザったくてしょうがない。



「……あたし…、何言おうとしてんの…、」


『あたし…、平助の事…、』


あの続き、何を言おうとしていたのかくらい自分でも分かる。


告白なんてしても、無駄なんだから。彼女がいる人に告白しても惨めになるだけ。気まずくなるだけ。


「……も、やだぁ…。」


目に手を押しつけて涙を拭うがそれは全く意味がなく、どんどん溢れてくる。



「……日向…?」



「…さい、と…せんぱ、い…」



名字を呼ばれ、そちらに振り向けば、夏だというのにカッチリと制服を着た斎藤先輩の姿があった。







逃げ回るあたし
(今は、)
(甘えて良いですか?)




―--



あんまり話し進んでませんね。そして短いですね。


すいません(;_:)








 

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