喧嘩対処法

恋の辛さ故に、
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最初のころは楽しくて


ただ幸せなんだけど、


だんだん辛くなってきて、


苦しくなって、


泣きたくなって、


もう嫌になって、


逃げ出したくなって、


自分に嘘ついて、


わざと突き放したり、


馬鹿なことたっくさんやっちゃう。



…それを何回も繰り返すんだよね。


恋、ってやつはさ。




24,恋の辛さ故に、





「…はぁ」


最近はやたらため息が増えた気がする。


ため息をすると、幸せが逃げるって言うけど、生憎そんなこと信じたことは一回もない。


だからあたしはため息をついてしまうんだろう。



机の上に置いてある携帯を開くが、そこにはいつもの待ち受けだけ。メールを受信したお知らせも着信ありのお知らせもない。


「…はぁ」



ほら、また出た。



“俺の事、かっこいいとは思ってるの?”



あれは、どういう意味で聞いたの?


期待してもいいの?


それとも、あの鈍感馬鹿の率直に思った事?



「沙織ー、」


「…何?」



ネガティブ思考になっていた時、お母さんに呼ばれた。



「ちょっとコンビに行って牛乳買ってきてくれない?」


「…いいよ、」


短く返事を返し母から500円をもらって家から徒歩10分のコンビニに向かった。



牛乳を買って、余ったお金でお菓子も買っていつもよりゆっくりなペースで家に帰る。


この時、本当に後悔した。


何で買い物なんて行ったんだろう、って。




「…へ、いすけ……、」


「え、……あ、…沙織…、」



前方からやってくるのは平助、…と、あの女の子。


それだけだったらちょっと苦しいくらいですんだ。


でも、あたしの涙腺を壊すのに容易い光景が次の瞬間目に入った。



「…!!」


「ちょッ!おい!沙織!待てよ!!」



“その光景”が写りこんだ瞬間、帰り道とは逆方向の道を全速力で走っていた。



“その光景”というのは、彼らが手を組んで歩いている光景だった。



―--



今日も智香から遊びに誘われた。


暇だった俺は普通にOKをした。この時は、あの中学の時のメンツで遊ぶものだと思っていたから。


でも、実際待ち合わせ場所にいけば、いるのは彼女だけで。


どうやらデート、というものの誘いだったらしい。

そういえば俺、智香に告白されてんだったよな…。


答えはまだ決まってない。相手をこんなにも待たせてしまう、っていうのは失礼だと思ったけど。


でも、俺の中で何かが突っかかっていたんだ。


智香の事が好きなのか、と聞かれたら素直に首を縦に振ることはできない。でも、だからといって横に振ることもできないんだ。


中学の時は、本当に智香の事が好きだった。付き合えたらどんなにいいだろうと思って、告白したんだ。だけど結果は駄目で。


そして、何故か今になって告白された。


理由は分からない。ただ「好き、…付き合って下さい」と言われただけ。


それから何日か経って、沙織に宿題を手伝ってもらうことになって、彼女が俺の家に来た。


その時、「顔はかっこいい」と言われ、「じゃあ顔以外は駄目なのかよ」よ心の中でちょっと落ち込んだけど、素直にカッコイイと思われているんじゃないか、ということは嬉しかった。


それを聞けば、彼女は顔を真っ赤にして帰ってしまった。


正直、嫌な気持ちにはならなかった。どちらかというと嬉しい。



それから彼女とは何にも連絡を取っていなくて。


そして、ちょっと久しぶりに沙織にあったんだ。



でも、俺たちを見た瞬間、目を見開いて逃げ出してしまった。


なんか、泣きそうな顔をしていた気がする。


反射的に、俺は追いかけようとした、が…



「平助…!!」


組まれていた腕を引っ張られ、追いかける、という行動は不可能になってしまった。


そう言えば、いつから腕組まれてたんだ?


「…い、かないでよ……」



そういう彼女の声も、凄く震えていて、今にも壊れそうだった。



「…で、でも……」


「……好きだよ?…、平助の事」


「…ッ!」



いきなり、2度目の告白。


「……虫がいいのは分かってる。一回平助の事振ってるくせに、いまさら告白してるんだもん。…でも、でもね?…あたし、……本当は…、中学の時から、ずっとずっと、平助の事好きだった。」


「!!」



「でも、怖くてさ…。平助モテるから…、ファンの子達に何されるか、って思うと怖くて。自分を守っちゃったんだよね、“受験”てのを盾にして。」


「…智香……」


「でも、あたしは…ここで平助がまたあたしを好きになってくれるなら、全てを受け止める覚悟はできてるの…!!」



「…」



「……好き、…大好き。……ねぇ、…付き合って、くれる?」




―--



「…はぁッ……はぁ……ッ」



ただがむしゃらに走って走って、走って、無意識のうちにいた場所はあいつとの思い出も結構詰まったあの公園だった。



「……は、はは。」



乾いた笑い声しか出てこない。


なぁんだ。付き合ったんじゃん、結局。


「……最初っから、あたしが出る幕なんてないんだ」



ちょっとだけでも、期待していた自分が恥ずかしい。ムカつく。悔しい。



「……ほんと、馬鹿だなぁ」





死んじゃいそう
(ポロリ、)


―--


ドロドロになってきたww←







 

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