喧嘩対処法

シュートの成功確率
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「日向さん!そのままスマッシュ!」


今野さんに言われて、上から降ってくるバレーボールに狙いを定める。

手を上にあげ、いざ…!



スカッ


「…」


「あ、…ど、どんまい」


「あはははッ 何やってんだよ!」


「……死ね!!」


空振りしたあたしを見て、藤堂はおなかを抱えて笑う。捨て台詞をはいた後、すぐそこに転がっていたバレーボールを藤堂に向かって投げつけた。


「いてッ!何すんだよ!!」


「自業自得、って言葉知らないの?」




15,シュートの成功確率





「いやぁ、あれは傑作だったな。ムービー撮っとけば良かった。」


「…しつこいんだけど。」


昼休みのあの事件の事を、6時間目の国語の自習の時間にも話をもちかける。


「ねぇ、沙織、ここ教えてくれない?」


自習の課題も終わって、ただ空気を見つめていれば一真が課題のプリントを持ってあたしのところへ来た。


あれ?確か彼は国語は得意だったはず。いつも挙手とかしてるし。


「え、…あ、…えーっと、これは作者の「やめとけ一真、コイツ教え方下手だぞ」


教えようとしたところで馬鹿な奴が口をはさむ。


「はぁ!?馬鹿なあんたが理解できてないだけでしょ!?」


「お前の教え方が下手なだけ。」


つくづくムカつくやつだ。ったく。本当に一言多いんだから。



「……お前らさ、付き合ってんの?」



と、ここで“あたりまえ”というような顔でポツンと聞いてきた一真。その内容は恐ろしいものだった。



「「はぁ!!??」」


いや。意味が分からない。なぜそうなるんだ?どうしてそういう思考回路になった!?


「か、一真。落ち着け。何でそうなった!?」


「いや、仲良いからさ」


「よくねぇだろ!だいたい、こんな奴と付き合ってるなんて冗談じゃねぇよ!冗談でも笑えねぇし!」


チクッ


「こ、こっちの台詞!あー、本当にムカつく。」


「あれ、本当に付き合ってないの?」


「当たり前だろ!やめろよマジで」


チクッ



あれ。何かさっきから胸がチクチクする。


何だ?これ。



―--



「…ねぇ、平助。」


「ん?」


放課後。今日が締め切りだった数学の課題を忘れていた俺は、今超特急でやっている。隣の沙織の席には一真が座っている。


今、クラスには俺と一真の2人しかいない。


「…俺が、沙織のこと好きだって言ったら、どうする」


「…え?」



好き?一真が沙織の事を…?


「…別に、どうもしねぇよ」


「…ふぅん」



何がしたいんだ?何で俺にそんなことを聞いた?


「…で、何?好きなの?」


「……うーん。…わかんねぇ」


「……あっそ。」


「……何にも思わねぇの?」


「だから、思わねぇって。てか、何で?」


「…いや。てっきり平助は沙織のこと好きなのかと。」


「…はぁ。お前な……。何でそうなるんだよ。好きじゃねぇって。」


「じゃ、俺が告白して付き合うことになっても、大丈夫だね。」


「……別に。」


一真とは、俺がいうのもアレかもしれないが、仲がいい。だけど、時々何を考えているんだか分からない時がある。



球技大会当日―--


そんなこんなで当日が来てしまった。

皆のテンションは朝から凄い高い。


「絶対優勝するぞー!焼肉じゃー!!」


「「「おー!!!」」」


…何なんだ、この団結力。


「沙織、第一試合何時から?」


「10時半からだけど?」


「じゃ、俺の野球の試合応援できるな。」


「え、」


「しっかり応援しろよ!!絶対勝つからな!!」


「……うん。応援行くよ。…その代わり、絶対勝ってよね」


「任せろ!!」



いろんな意味で長く、いろんな意味で短い一日が始まった。





63,8%
アノ確立と同じ

(よし、)
(頑張ろう)









 

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