喧嘩対処法

お昼の購買は常に戦争
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「ちょっと、これあたしが先に取った」


「俺だし。見てみろ、焼きそばパン掴んでる面積俺の方が多いぜ。」


「は?そんなの関係ないし。早く離して。腐る」


「腐んねーよ。馬鹿か。」


「馬鹿じゃないし。少なくともあんたより頭いいし。馬鹿か」


「…あ、あたしのパンあげるからもうやめて…。」






2,お昼の購買は常に戦争





「私、雪村千鶴です。よろしくね。」



「…よろしく。」


ちょっと無愛想に言ったあたしに、かわいい彼女は苦笑い。



「お前さ、ほんっっと無愛想だよな。」



「そんなこと自覚済みよ。」



ちょっと、まて、あたしが無愛想だとか、そんな話は置いておいて、何であたしは今この2人と一緒にいる?


藤堂と購買でパンを奪い合って、それを見兼ねた雪村さんがパンを藤堂にあげて、焼きそばパンが手に入ったまでは良い。何であたしは屋上でこの2人と一緒にいる?


一緒にいる意味はあるのか?いや、ない。


「…じゃ、あたし教室で食べるから。」



「行っちゃうんですか?一緒に食べましょうよ。」


「え…?」



立ち上がったあたしに、雪村さんが言った。



「……何で、一緒に食べたいんですか?」



どんな質問をしてるんだ、あたしは。ふと、藤堂に目を向ければ、彼は雪村さんからもらったメロンパンを一生懸命食べている。



「何でって…、大勢で食べたほうが楽しいじゃないですか。」



楽しい…?



そういうものなのか?



「…」



「お前さ、そんなんだから友達できねぇんじゃね?」



―ねぇ、あんな子放っておいて行こう?―

―日向さんて何かいつも1人だよね。―

―しょうがないんじゃない?だって、友達いないし―


藤堂が言った言葉にムカついて、ズカズカと屋上のドアまで歩き出した。


「お、おいッ!」


「…苦手なの!!」


「え…、」


「苦手なのよ…、友達とか、友情とか…そういうの。」


「…」


「どうすればいいか分からないし。どうしても無愛想になっちゃうし。…と、とにかくもうほっといて。」


そう言って、屋上から出ようとしたのに…、



「っぷ。あははははっ!」



「…は?」



爆笑する藤堂が気になり出られなかった。



「な、何笑ってんのよ」



「ははッ。お、お前…、そんなキャラだったか…?お、おかしくて…。あはははッ。」



「い、いい加減にしないと…!!」



「はははッ。お前にも、ちょっとは可愛いとこあんのな。」



「な、ななな…!」



「ん?」


「…ッなんでもない!やっぱりこれいらない!くれてやる!馬鹿野郎!!」


焼きそばパンを投げつけて屋上を後にした。


あいつに可愛いなんて言われてもこれっぽッちも嬉しくないっての。馬鹿野郎!!





戸惑ったのは事実
(あー。)
(ムカつく)






 

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