ペアで踊る飴細工
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別に減るもんじゃないし。あたしから言ったって良いのに、なぜかあたしからは言いたくなかった。




「俺から?……俺は…、やっぱりお祭りって言ったらカキ氷だろ!」



「…カキ氷か。おいしいよね。」



「で、沙織は?」



「あたしは…、」


-好きだね、金魚すくい-

-ああ、屋台の中で一番好きなんだ!-



この記憶は、お祭りに行く前にあった時のあの人と、あの人と一緒にいた人の会話。彼は金魚すくいが屋台で一番好きだといった。



平助と会ったときから思ってたんだ。あの人って、なんか平助の気がする。って。


なぜだか分からない。だけど、平助な気がする。でも、なぜか聞き出すことができなくて。



「あたしは…、リンゴ飴かな。」




でも、平助の好きな屋台はカキ氷。きっと、勘違いだよね。



それにしても、なんであたしはリンゴ飴なんていっちゃったんだろう。あたしの好きな屋台は、今でも変わっていない、金魚すくいだ。



「…そっか。」




あれ?何か平助いきなり元気なくなってね?



「平助?」



「…ん?何だ?」



「………ううん。何でもない。」




平助が、あまりにも悲しい顔をしてたから何にも聞けなかった。




「……ごめん、俺やっぱり授業戻るわ。」



「え、…あ、うん。…ごめんね。無理につき合わせちゃって…」



「いや。別に平気だぜ。じゃ、またな。」




いきなり平助の様子が変わった。



凄く悲しそうでつらそうだった。




なんで?






悲しそうに笑う
貴方に似た飴細工



―--


平助が元気ないとか…。ねぇ←







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