ペアで踊る飴細工
2ページ/3ページ




「…もうだめ。限界。保健室行ってくる。」


5時間目が終わって、約10分間の休憩。6時間目は体育だ。


今日は体育館でバスケのはず。この状態でバスケなんてやったらあたし死ぬわ。



「ついていこうか?」



「ううん。大丈夫。ありがとう。」



咲に見送られて途中転びそうになりながらも1人保健室に向かった。





「せんせー、ちょっと寝かせ…、いないし。」




保健室でちょっと寝かせてもらおうと思っていたのに…、先生がいない。出張かな?あんまり山南先生得意じゃないからいいけど。


ま、とにかく寝よう。良い感じで冷房が効いていてすごく気持ちがいい。



まぶたが重たくなってきて、あと一歩で夢の世界へ入りそうだった時、



「せんせー!!怪我したー!!」


「!!」


び、びっくりした。あとちょっとで寝れそうだったのに、今ので一気に眠気がなくなった。



なんか聞いたことあるな、とおもい、閉めていたカーテンをあければ、


「へ、平助…、」



「ん?…おッ、沙織じゃん。」


―--



「これで…よし!」



「いてッ。叩かなくていいっつぅの。」




男子は外で短距離だったらしく、それで転んでしまったらしい。先生がいないからあたしが手当てした。…うん。なんか凄く不格好だが。



「それより、なんで保健室なんているんだよ。」


「……ちょっと気分悪くて。」


「あー!だから言っただろ!?顔色悪い、って。」



「うん。ごめん。」



「……寝てなくていいのか?」



少し静かになったあたしをみて、彼は心配するように顔を覗き込んだ。




「…平助のせいで眠気がさめたの!」


「お、俺のせいかよ!」


「そう!だから、話し相手になって。」


「…しゃーねーな。」




あたしはどっちかというとよくサボる方だ。だけど、わざわざ友達を誘ってサボる、なんてことは絶対にしない。なんでだろうね?今私は平助を誘った。…なんでだろう。




「沙織さ、お祭りの屋台で何が一番好き?」



そんなの決まっていた。すぐ答えられるもの。だけど…、



「へ、平助から言って。」





次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ