夢
□ペアで踊る飴細工
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「…もうだめ。限界。保健室行ってくる。」
5時間目が終わって、約10分間の休憩。6時間目は体育だ。
今日は体育館でバスケのはず。この状態でバスケなんてやったらあたし死ぬわ。
「ついていこうか?」
「ううん。大丈夫。ありがとう。」
咲に見送られて途中転びそうになりながらも1人保健室に向かった。
「せんせー、ちょっと寝かせ…、いないし。」
保健室でちょっと寝かせてもらおうと思っていたのに…、先生がいない。出張かな?あんまり山南先生得意じゃないからいいけど。
ま、とにかく寝よう。良い感じで冷房が効いていてすごく気持ちがいい。
まぶたが重たくなってきて、あと一歩で夢の世界へ入りそうだった時、
「せんせー!!怪我したー!!」
「!!」
び、びっくりした。あとちょっとで寝れそうだったのに、今ので一気に眠気がなくなった。
なんか聞いたことあるな、とおもい、閉めていたカーテンをあければ、
「へ、平助…、」
「ん?…おッ、沙織じゃん。」
―--
「これで…よし!」
「いてッ。叩かなくていいっつぅの。」
男子は外で短距離だったらしく、それで転んでしまったらしい。先生がいないからあたしが手当てした。…うん。なんか凄く不格好だが。
「それより、なんで保健室なんているんだよ。」
「……ちょっと気分悪くて。」
「あー!だから言っただろ!?顔色悪い、って。」
「うん。ごめん。」
「……寝てなくていいのか?」
少し静かになったあたしをみて、彼は心配するように顔を覗き込んだ。
「…平助のせいで眠気がさめたの!」
「お、俺のせいかよ!」
「そう!だから、話し相手になって。」
「…しゃーねーな。」
あたしはどっちかというとよくサボる方だ。だけど、わざわざ友達を誘ってサボる、なんてことは絶対にしない。なんでだろうね?今私は平助を誘った。…なんでだろう。
「沙織さ、お祭りの屋台で何が一番好き?」
そんなの決まっていた。すぐ答えられるもの。だけど…、
「へ、平助から言って。」