夜空の翼
□輝き始めた世界(第2話)
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黒髪の少年に出会って、もうすぐ一週間が過ぎようとしていたー。
そして、この一週間でいろいろ分かった事がある。
少年の名はザンザス。エマルと同じく、生まれながらに炎を灯していたらしい。
そのおかげか、エマルはすぐにザンザスに懐いた。
一週間前のエマルと比べたら、予想できなかった出来事だ。
「ザンザスー!!」
オレはできる限り速く走ってザンザスを追いかける。
「………何だ。」
「あのさ、海行こうぜ!海!」
相変わらずの無愛想な顔でこちらを睨んでくるザンザス。
でもそんなものこの一週間ですっかり慣れたし!
「海何かで泳ぐ気分じゃねえ。」
「何言ってんだよ!泳ぐんじゃなくて、綺麗な海を見に行くだけだ!」
オレが呆れ気味にそう言うと、ザンザスは不思議そうな顔で訊ねてきた。
「……そんな事やって面白いか?」
「んー……、面白くはないけど癒されるから!」
そう言ってオレは半ば強制的にザンザスを海へと連れていったー。