お題2

□お姫様扱い
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寝ぼけた目をこすってまだ覚醒しきらない体を起して隣を見やった。

「ちか…?」

寝る前までは確かにあった愛しい人の姿。

そっと手を伸ばして皺だけ寄ったシーツに触れれば微かに体温が残っていて、抜け出してまだそんなに時間がたっていないことを知らせていた。

寒さからなかなか布団が恋しくて抜け出せない。が、ここでこうしていても元親に会えるわけでもない。意を決して布団から出ると途端に寒さに襲われぶるりと体が震えた。

覚束ない足取りで取り敢えずリビングへと向かう。と、鼻孔を擽る香ばしい匂い。

「もとちか…?」

「おっ!起きたか。朝飯できてんぜ?」

俺の姿を見つけるなりふわりと笑ってちょいちょいと手招きをする。

誘われるがままに傍へと歩いて行くと、抱きしめられた。

「おはよう、お姫様」

「何がお姫様だよ…」

恥ずかしい台詞をいとも簡単に言ってのける元親に気恥ずかしくて俯く。
そうしたらクスクスと笑われてなんだか余計に恥ずかしくなった。

「さ、さっさと食っちまうか。今日はいい天気だしよ、どっか出かけようぜ?」

「マジ?じゃあさ、俺、海行きたい。」

「海?」

またなんでこんな時期に。元親は訝しげに眉を上げて首を傾げた。

「…アンタには、海が似合うだろ…?」

それが見たいんだ。

ほんのりと頬を染めて政宗ははにかんだ。

正直寒いのは本当に嫌だけど、でも元親と行くなら、どうしても海が良かった。なぜか懐かしい気がして、それでいてどこか悲しい気持ちになるのだけれど。

それでもさらに大きな割合を占めるのはやはり愛しさで。

「可愛いこと言ってくれんじゃねぇか。やっぱり俺の姫さんは最高だな。」

「だから誰が姫だっての!!」

からからと笑う元親に頬を膨らませて拗ねた素振りを見せる。そうすれば少し焦ったように頭を撫でてくれるその手が愛しくて、そっと目を細めた。


-END-

ごめんなさいぃぃぃいいい!!

元親に『おはよう、お姫様』って言わせたかっただけなんです!←

ほんのりと感覚で過去を覚えてればいいと思うのです(^^)

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