お題
□死すらも2人を別てない
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半年後―…
「やっと会えるな…」
見通しの良い高台に政宗はいた。
仰ぎ見た青く澄み渡る空には鳥が自由に飛び回っている。
幸村なき後、天下は伊達の手に治まり平定の戦は幕を閉じた。
これで政宗の前には何も憚るものはなくなり、目の前の壁は壊された。
「今から行く…」
ふわりと笑ってそのまま体を倒した。
アンタは何て言うんだろうな?
馬鹿だと罵るのか?
それでもいい…
アンタに会えるなら俺は何があっても構やしねぇ
アンタが何時もの笑顔で迎えてくれる事だけを願うぜ…?
ゆっくりと隻眼を閉じた。
間もなく、鈍い音が響き渡った。
死すらも二人を別てない
"死"なんかに俺たちの想いが引き裂けるわけがねぇんだ