お題
□死すらも2人を別てない
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政宗は大人しくされるがままになり、幸村の腕に自分の手を置いた。
頼む
俺を、独りにしないでくれ…
もう独りは、嫌なんだよ…
止め処なく溢れる涙を拭うこともせずに、ただ嫌だ嫌だと頭をふる。
しようのないお方だ…
幸村は苦笑いを零す。
「政、宗…どの…これ、は…永久の別れ…はござ、ら…ん」
ただ少し。ほんの少し、この幸村が早く旅立つだけで、この別れは永遠のものではないのだ。
「先、にいって、待っ…ゆ、え…まさ…ね…後か、ら来…れよ…」
ふわりと笑って重い瞼を閉じた。
柔らかい感触と、心地よい温もりを最後につなぎ止めていた意識をも手放した。