小咄
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突破文をちらほらと。
◆親♀政/現代/妊娠ネタ
あんなに心に決めていたのに
もう自分のような人を作らないと決めていたのに
「おめでとうございます。二か月ですよ」
にこりと笑った医者に殺意さえ覚えた。
何がめでたいのだ。
俺はまだ高校生で、相手は大学生だ。
仮に星人だったとしても、幼いころに付いた心の傷はそう簡単に癒えるものではなく、未だに苦しめている。
その記憶が、感覚が、恐怖が、一生子供を作らないと固く決意させたのに。
こんな自分にこの小さな生命を幸せになんかできるわけがないのだ。
病院をでて夏の匂いをかすかに漂わせる帰路を無意識にたどる。
ポケットで震える携帯に、知らず知らずのうちに涙がこぼれた。
ごめんね、ごめんなさい。
(お前の誕生を素直に喜べない俺を許して)
(アンタとの証を怖いと思う俺を許して)
-END-
妊娠してしまって、産むかどうか、虐げられていた自分が母親にになって愛せるのかどうか不安になってる伊達。
2011/06/25(Sat) 21:40
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