小咄


突破文をちらほらと。
◆佐梵 


晴れているのにも関わらず降りだした雨。

いいこと思いついた!と膝の上に座っている幼子に、顔を覆って泣き真似をしてみせた。

「ぐすん…俺様、お嫁に行かなくちゃならなくなっちゃった」

ホントに軽い冗談だったのに。

「え…」

形のいい眉が下げられ、一つしかないくりくりとした大きな目に涙が浮かんだ。

「さすけ、梵おいてっちゃうの…?」

「え!?いや、冗談!冗談だよ!!」

愛らしい顔がぐにゃりと歪んだことに慌ててネタばらしをするが、ぐすぐすとぐずる梵天。

やってしまったと佐助は頭を抱えたい気分だった。

「ごめんね、今、キツネさんがお嫁さんに行ったから、ちょっと冗談言ってみただけだったんだ」

「ほんと…?」

「ほんともほんと!」

安心させるようににっこりと笑いかけて柔らかい髪に唇を落とせば、ふわりと儚い花が咲いた。

あぁ、やっぱり。


この子には、笑顔が似合う。




-END-



朝電車に乗ろうと商店街を歩いてたら晴れてるのにも関わらず雨が!

そこで佐助の嫁入りって過ぎった私はもう末期ww

2011/06/23(Thu) 19:51

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