短編

□冷淡
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「政宗殿…」

光のない瞳で名前を呼ぶ幸村はどこか冷淡で。
伸ばされた腕は嬉しい筈なのに、怖くて怖くて仕方がなかった。





ピピピピピピ…

目覚ましの音が部屋中に鳴り響く。

shit…

顔をしかめて少し雑に目覚ましを止めると、むくりと体を起こした。


重たい体を引きずりながら二階の自室から一階のリビングへと移動する。

「Good morning…」

部屋に入りソファに座る人物に声を掛ければ、くるりとこちらを向いて笑った。

「あぁ…おはよう」

広げていた新聞を閉じ、ゆっくりと立ち上がるとポンと政宗の頭に手を置いた。

「朝餉にしようか。」

「Yeah」

満足そうに微笑みキッチンに入っていく幸村を見送りながら、政宗はきゅっと唇を噛み締めた。




ンダノハンナジャナイ




「政宗、早く食べぬと冷めてしまうぞ??」

「あ、sorry……父さん」



俺の手を取った時のユキムラの顔が頭から離れない

冷たく笑う君は俺に囁いた

「もうハナサナイ…」


-END-

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