短編
□蒼い鳥、紅い籠
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自由を望む蒼い鳥は
「さぁ、政宗殿…」
狂気を孕んだ紅い籠に
「某をみてくだされ…」
閉じ込められて
「誠にお美しい…」
綺麗な羽はもぎ取られ
「言うことが、聞けないので…?」
愛くるしい囀りは不協和音となり下がり
「某のために、今宵も啼いて下され」
意志の強かった瞳は
「貴殿だけを…」
今では虚ろに鈍色を映すだけ…
それでも籠は開かない
ゆっくりと蒼が濁色に変わるのを
ただ、
「政宗殿…」
狂気に蝕まれた笑みで眺め続けるー…
「アイシテおりまする」
ーENDー