異能力症候群

□プロローグ
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【とある村のお話】

*

夏のある日のことでした。

それは本当によく晴れた、とても穏やかな日でした。

そんな、雲一つない穏やかな空から、突然真っ黒な〈雷〉が落ちて来ました。

その〈雷〉は、ある小さな村へと真っ直ぐ落ちて、村を焼き尽くしてしまいました。

三百人いた村人たちは、一人の少女を残して、みんなみんな死んでしまったのです。

たった一人残された少女は、ショックで目が見えなくなってしまいました。

そして毎晩毎晩、保護された施設の中で、何も見えない目から涙を流し、呟いていました。

――『わたしが、やったんだ…』――

焼けた村の存在は、徐々に皆から忘れ去られていきました。

当然、少女のことも。

*

説話集『とある村のお話』より抜粋

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