TENDER LOVE

□Chapter 6 –side. you -
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 引っ越して、2ヶ月半位が経った。
 オニュと和解して、伯父がもうあの街にはいないことを知って、何だか少し気が軽くなって、でもあの街に入るのは気が咎めた。

 そして、テミンくんは忙しい合間を縫って、3~4日に一度は私の家を訪れる。そんな日々。

自分でも、何を考えているのか、時々ついていけなくなる。
テミンくんがあのとき本当に引き返していたら、私に背を向けたら、私はどうだっただろう。少なからず、寂しい気持ちはあっただろうと思う。
一方で、テミンくんに私のすべてを預けることはできないとも思う。

 純粋に、真っ直ぐ。
 それは嬉しくもあり、痛い。

 体を重ねていても、私の意識は上の空なのだ。

 そうして私はテミンくんを傷付けている。
 テミンくんをイかせるだけで、セックス自体は、一切していない。思春期の男の子にとって、ましてや、それが真意か否かわからないとしても、好きな女性とそういう行為に挑んでいるのに、相手の気持ちが自分のほうを向いていなくて、さらに本番を拒まれているということ。

ピンポーン・・・

「はい」
『ヌナー、僕だよ』
「今開けるね」

 オートロックを開けて、彼を招き入れる。
 玄関先で、抱きしめられる。外の匂いと、テミンくんの香り。細い体で、精一杯「好き」を放って・・・私からも、同じようにされることを望んでいるのがわかる。
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