ヒバツナ
□物語の序章
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「おはよーございます、10代目!!!!」
「おっす、ツナ」
いつもの交差点、いつもの挨拶、いつものたわいない会話。
何の変哲もない日常。
それが、俺の居場所なんだ。
並中に着き、校門をくぐる。
そして俺は、いつも無意識のうちに屋上を見上げる。
視線の先、そこには、学ランを風になびかせ、いつものように「あの人」がいた。
廊下で擦れ違っても、声をかけることさえ出来ないけれど、
俺は「あの人」を見れるだけで嬉しかった。
皆は、「関わりたくない」とか、「怖い」とか、そういう事ばかり口にする。
でも、本当はそんなんじゃないんだと思う‥‥‥
群れるのが嫌いなんじゃなくて、
たった一人でいたいんじゃなくて、
‥‥‥‥本当は、
寂しいじゃないのかなって、
俺は思う。