ディノヒバ

□跳ね馬とじゃじゃ馬
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「おい」

「‥‥‥‥‥‥」

「きょーやぁっ!返事くらいしてくれたっていいじゃねーか…」





数分前。
久し振りに日本へ来たディーノは、真っ先に並中の応接室――――雲雀の元へやって来た。

再び会えた喜びに、ディーノは挨拶代わりに雲雀の頬へキスをした…のだが、
その後雲雀がとった行動はあまりにも酷いもので、

ディーノをトンファーの一撃で殴り飛ばした上で、


「やめてくれない?虫酸が走る」


と、冷たく言い放ったのだ。

それからというもの、雲雀はディーノの呼びかけに返事一つせず、黙々と風紀委員の仕事をし続けていた。




「あれはあんまりだぜ、恭弥‥‥‥『虫酸が走る』、なんてよ‥‥俺ら、やるコトやってる仲なんだぜ?」

「‥‥‥だってホントの事なんだから仕方ないでしょ」


やっとの事で口を開いた雲雀の声は、不機嫌さを滲ませていた。


「キスされたのが嫌だったの、それだけだよ」

「だからって殴るなよ!お前、いっつも手加減しねぇんだから‥‥」

「してほしかったの?」

「‥‥いや、別に;」


雲雀に睨みつけられ、反論することが出来ないディーノ。



また数分間、2人共一言も口をきかず、気まずい空気が応接室を支配する。



――――――――しかし、その沈黙を破るかのように、ディーノがこう言った。









「お前のこと好きだから、あぁいう事するんだぜ?」









一方の雲雀は、ディーノの唐突な言葉に顔を赤らめる訳でもなく、その視線を更に鋭くして、ディーノの方へ手を伸ばし、



――――――――チュ.



ディーノの顔を引き寄せ、そっと口づけた。


「なっ、お、おいっ恭弥ッ///」

「‥‥‥‥僕には」

「え?」

「僕には雰囲気作りなんて要らない」


雲雀の真面目な顔を見て、ディーノは自然と口を閉じる。


「髪とか手とか、頬とかにキスしたり、抱きしめたり、‥‥‥そんな事はしなくていい。
今までの女と同じにしないでよ、僕にはそんなモノ必要ないんだから」

「恭弥‥‥‥」



「キスをするのなら口にして、そしたらそれから黙って脱ぐ。
遠回しな事は嫌いだよ」



そう言って、雲雀は黙り込んでしまった。
その耳は、恥ずかしさからか、真っ赤になっていた。

そんな雲雀を見て、ディーノの我慢は限界に達したのか―――――


「恭弥」

「‥‥‥何?ちょ、っ跳ね馬‥‥‥‥‥‥ん、ふっ//」


愛しい生徒に、呼吸さえも奪うような深いキスをした。
激しい舌の奪い合いは数分間にも及び、震える雲雀の手がディーノの服を握りしめる。


「はぁ、、、はぁ、、、、、、//
っそれで、いぃ、の」


口端からはしたなく涎を垂らし、雲雀が言った。

その愛らしさに、ディーノは雲雀を強く強く抱きしめる。

いくら雰囲気作りは要らない、と言われても、
これだけは止められない。








「愛してるぜ、恭弥」


「‥‥‥‥‥僕も‥‥好きだよ、跳ね馬」










お互いを確かめ合って、
それだけで、跳ね馬は嬉しかった。

この時間が、ひどく心地好い。



しかし、



「続きをしないんなら、帰るよ」



という雲雀のコトバで、やはり欲情してしまったのだが。





-end-

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