詩集

□私は鳥 あなたは樹
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私は一羽の鳥
群れない 一羽だけの鳥
いつも思うまま 自由に青空飛んでいる

疲れた時は大地に降りてた
それが私の常識(せかい)
だけど ある日そんな私を見て
一本の樹が 手をさしのべた

初めての枝の上は
どうしてだろう
とてもあたたかい場所だった
知らなかった木陰は涼しくて
ああ また飛んでいける気がした

私は一羽の鳥
あなたは一本の樹
いつのまにかできていた 帰りたい場所

幹と枝のあいだに埋まるの
それが私の特等席(いばしょ)
だけど ある日どんなに求めても
樹(あなた)の影が見えなかった

昔はできていたのに
どうしてだろう
あの大地(つち)にもう降りれない
知ってしまった拠所(となり)は心地よくて
ああ もう飛び続けるしかないなあ

風に揺られて聴こえた声
そっと射しこむ やさしい日差し
お願い
甘やかさないで
弱くなる自分がイヤ…

私は一羽の鳥
自由に空を舞う鳥
樹(あなた)がいるなら どこまででも飛んでいける

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