詩集

□夜歩
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暗い暗い夜の森

子供が20人集まった

さぁ これからゲームをしよう

夜の森を歩くだけ

人とは離れ 話しちゃいけない

ひとりぼっちで歩きます

そんなの怖いよ!ぼくはやだ!

じゃあ先生がいてあげる


右手に見えるは蓮の花

まだまだ蕾 葉っぱだけ

先生怖いよ 暗くて見えない

それじゃあ耳をすませてよ

コロコロ聞こえる虫の声

先生怖いよ 静かすぎる

それじゃあそこで止まろうか

見上げてみなさい?森の月

こんなに眩しく思うだろう?

…ほんとだ きれい 星もきれい

それからぼくは前を見た


少し見える道のはし

暗く底なし谷のよう

ほらほら向こうを見てごらん

先生静かに うるさいよ

踏み出す足を受け止める

土は柔らか 気持ちいい

いつしか周りはぼくひとり

だけど平気さ 森がある

ぼくが夜に染まるでなく

夜がぼくの内にくる

とても静かな一体感

沈黙が好きと思っちゃう


そろそろ行かなきゃ みんなどこ?

いたいた 前の白い影

茂る葉の門くぐり抜け

ぼくは影を追いかけた


暗い暗い夜の森

抜けた先にいる人数

1 2 3 4 …20人

先生いれて20人

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