詩集

□刹那
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与え 与えられる幸福に
人は安易に身を任す
今その場でのみ得られる
仮想の夢に満たされて

かつて 妖精は問うた
愛することとはなんだろう
かつて 妖精は問うた
愛はただ1人のためなのか

昔紡いだ愛の囁き
今は きみに紡いでいる
いずれうつろう偽りの気持ち
人は何故 笑っている?

永遠のない愛に人は
恋し 焦がれ続ける
ささげる相手が変わる
「愛してる」に想い込めて
流る大河に身を委ね
ヒトリ 藻屑と消える…

原始 祖は罪を負った
欲ゆえに愛を盾にして
原始 祖は罪を負った
欲に負け 愛を失った

想うきみをこの手に抱きたい
それは ただの欲望なのか
いずれ消え行く偽りの温度
人は何故 すがりつく?

永遠のない愛を人は
捧げ 求め続ける
愛の矛先を向ける
相手が他の誰かでも
爆ぜる焔に身を委ね
ヒトリ 灰へと還る…

いつか あなたは告げた
「この愛はあなたのためにある」
いつも ぼくは返した
「その愛はぼくには要らない」

汚れた罪を受け継ぐ人
甘い欲を手にして
いつか降り下ろされる
断罪の刃を見ないフリ

永遠のない愛に人は
恋し 振り回される
刹那の想いに苦しむ
渦巻く欲に 純な愛に
過ぎる時から置いてかれ
ヒトリ 鎖に繋がる…

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