neta

□イケメンとか興味ない関東人(財前)
1ページ/1ページ








立て付けのよくないスライドドアが力技で開けられる。その耳障りな音は睡眠の深海をたゆたっていた意識を無理やり引き揚げた。
……せっかく気持ちよくずる休みしてたのに。と医務室を本来の用途で使う人に対して腹を立てるのも筋違いな話だと分かってはいるが。
先生が居ないと分かればすぐ帰るだろう。時刻を見るために携帯を開く。同時に、ベッドを仕切るカーテンが開いた。

「おわ、人おった。」

居ちゃいけないのかよ。
言われた内容は大したことはないのだが、穏和な標準語地域で育ってきた私にとって、この、人に突っ掛かるような関西弁によるストレスは二倍である。

「……先生ならどっか行ったよ。」
「なら丁度えーわ。俺、今から寝るからほっといて。」

こいつサボりか。けしからん。…私もか。
返事の代わりに寝返りをうつ。先ほどの眠気が残っていたおかげで、あっさりと二度寝することができた。






「なあ、アンタ」
「……んあ……なに?」
「ええかげん起きた方がええんちゃいます?」

携帯電話を確認する。…四時少し前。大分寝たな。
社交辞令でお礼を述べる。そのまま死なれても困るんで、と彼は返してさっさと保健室を出て行った。無愛想だな。そのセリフはギャグのつもりだったのだろうか?関西のノリは、よくわからない。











[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ