neta
□おもいびと(燐)
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「奥村君、やっぱりカッコイイよねえ」
「ええ?ああ、まあ顔はね」
「なんで不満そうな顔してるの?奥村君、パーフェクトじゃん」
「はあー?パーフェクトってなにが、どこが」
「だってルックス良いし、優しいし、頭良いし。」
「いやいやまてまて。そらルックスだけ見れば及第点だけどさ。頭は良くないでしょどう見ても。体育の成績はぶっちぎりトップだけど、授業はダメダメだよ?特に国語なんて目も当てられない。
しかも優しいって?あれの、どこが。確かにこないだ道端の子猫拾ったりしてたけども」
「ちょっとストップ」
「どうした」
「あんた、それどっちの奥村君?」
「兄の方じゃないの?奥村燐」
「私が話してたのは、雪男君の方なんだけど」
「えっ」
「…普通、奥村君って言ったら雪男君のことを指すでしょ。入学式で演説もしてたし」
「ええっと」
「それに子猫拾ってたなんて初耳。どうして今まで言わなかった」
「あ、あは」
「やけに奥村兄を観察してるねえ?ええ?」
「ちょっ誰か助けて!悪魔がいるー!」
ガラガラ!
「悪魔っ!?どこだ!?」
「きゃあああ本人!?」