neta

□購買とあの子と混雑時(黒子)
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「あー……」

人が群れている。第一印象がそれ。
高校に入ってから購買を利用するようになり、頻繁に買いに訪れていた。…が、今日はどうしたことか。
ざっと見積もって五クラス分くらいの人数が我先にとひしめきあっている。酷い、これは酷い。
これではお昼ご飯を買えないだろうと左右脳が頷いて、冷静に判断を下した。
いや、冷静だからってお昼ご飯が買えるわけじゃないのだけれど。
学校の外にあるコンビニに行くためには校外に出なくてはいけない。But、それは時間が掛かるし歩数が増えるし、何より校則違反だから却下。となるとどうするか……。

「戸崎さん」

「っひ!」

溶けるような声。それと共に制服越しに背筋を逆撫でされ、身体が跳ねる。

「こんにちは、奇遇ですね」

「こんにちは…出会い頭に脅かすのは止めよう。びっくりするから」

「はい。素敵な声でした」

「……馬鹿にしてる?」

「お昼ご飯、買わないんですか?」

「買えない、が正確。…そっちも?」

「はい。先輩に頼まれて」

「それってパシられ、」

「買ってきました」

「既に!?」






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