07-GHOST

□秘密
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「・・・待って・・・」


そう呟いた自分の声で、テイトはハッと目を覚ました。
夢の中の誰かに向かって伸ばした手は白い天井に向かって伸びていた。
ベッドから上半身を起こし、その手で顔を覆う。



「また同じ夢・・・」



ここ最近ずっと同じ夢ばかり見ている。
ずっと。
しかし、なぜだろう、と考える前に階下から声が聞こえた。




「テイトくーん、朝だよー!」
「あ、はーい!今行きまーす!!」



慌ててそう返事をすると、テイトはベッドから降り、壁にかけていた制服に着替えた。
リビングへのドアを開けると、ふわり、とトーストの香りが鼻をくすぐった。



「おはよう、テイトくん」
「あ、おはようございます。ラブラドールさん」



慌ててそう返したテイトに、ラブラドールはにっこりと笑った。
そして、もう一人、キッチンに立っている人がいた。




「おはようございます。テイトくん。よく眠れましたか?」
「えっと・・・はい」
「そうですか。それはよかった。もう朝食の準備はできていますので、どうぞ」
「すみません、手伝わないで・・・」
「いいんですよ。明日、お手伝いをお願いできますか?」
「はい。もちろん」



テイトがそう言うと、カストルもラブラドールと同じように微笑んだ。



テイトはテーブルにつくと、朝食を食べ始めた。
穏やかな時間は、テイトの頭から夢のことを忘れさせてくれた。
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