小説(エドアル)

□SPICE!
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ウィンリィに見送られて、俺はセントラルへと向かった。
窓の外を流れる景色を眺めながら、ロックベル家を出てくるときの事を思い出す。


『ねえ、また来るでしょ?』
『・・・ああ』
『何よ、その気の抜けた返事は』
『あ、ごめん』
『別にいいけどね。気をつけてね』
『ああ。じゃ、行ってくる』
『うん。いってらっしゃい』


微笑んで見送ってくれたウィンリィの笑顔に、胸が痛んだ。
チクリ、と針を刺されたような痛み。
それと同時に、どうしても比べてしまう、もうひとつの笑顔。


「くそっ」


俺は頭に浮かぶウィンリィのものではないもう一人の人物の笑顔をかき消すように頭をかきむしった。



「アルフォンス・・・」



会いたい。会いたくない。会いたい。
矛盾する想いが、心の中を支配する。


セントラルは、もうそこまで迫っていた。
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