小説(レンリン)
□紙飛行機
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「こらー!待ちなさい!!」
静止する看護婦さんの声を無視して、私は走る。
待ちなさい、なんて言われても絶対に待ったりしない。
だって、待ったら捕まえられて、退屈なベッドの中へ引き戻されてしまうから。
待つもんか。
内心で舌を出して、私は笑った。
今日も私は走る。
大好きなあの子の元へ。
今日はどんな手紙をくれるんだろう。
高い高いフェンスを越えて飛んでくる紙飛行機を思い浮かべて、私はいっそう走る速度を速めた。
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