小説(レンリン)

□紙飛行機
2ページ/2ページ

「こらー!待ちなさい!!」


静止する看護婦さんの声を無視して、私は走る。

待ちなさい、なんて言われても絶対に待ったりしない。

だって、待ったら捕まえられて、退屈なベッドの中へ引き戻されてしまうから。


待つもんか。
内心で舌を出して、私は笑った。


今日も私は走る。
大好きなあの子の元へ。


今日はどんな手紙をくれるんだろう。
高い高いフェンスを越えて飛んでくる紙飛行機を思い浮かべて、私はいっそう走る速度を速めた。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ