小説(朝菊)

□季節がいく時
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『さようなら、イギリスさん』


そう言った自分の声が、言葉が頭の中で木魂する。
それを聞きたくないとでも言うかのように、日本は耳を覆った。


別れを告げたときに見えたきれいな緑色の目は、現実を理解できていなかったのか呆然と自分を見つめていた。


『お前が、俺の初めての友達だ』


いつか照れくさそうに言っていた、寂しがり屋の同盟相手。


イギリスと同盟を結んでから今まで、ずっと2人きりだった。


他に友達がいなかったわけではない。

でも、心の底から信じることができたのは西洋に浮かぶ、自分と同じ島国だけだった。


『お前と同盟を結んでよかった』



イギリスさん。
私もあなたと同盟を結べてよかった。
あなたとすごした日々は平凡で、でも振り返れば
光があふれていた。


縁側に腰掛けた日本は、そっと隣に触れた。
そこには、もうぬくもりは無かった。


『来年も、またサクラを見に来ていいか』
『ええ。もちろんです。お待ちしております』



ああ、あの約束も、果たすことができませんでしたね・・・



同盟を破棄したことを少しも後悔していないといったら嘘になる。
でも、イギリスの幸せを一番に考えるのならこれでよかったのだ。


一人ぼっちだったイギリスが、本当の意味で世界とつながった。


これでよかったのだ。

ああ、でも叶うのならもう一度。





あなたの心を取り戻したい。










=あとがき=
日本視点でした。
意味のわからない終わり方で本当に申し訳ないです(スライディング土下座
まあ、結局のところイギと日は両思いってことですよ☆(←ダマr
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました!!
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