小説(レンリン)
□紙飛行機
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ある日、私は鉄線で隔てられた向こう側にいる名前もしらない男の子に、恋をしました。
互いの手に触れることすら許されないこの世界で、
二人をつなげるのは、手紙を折って飛ばす、紙飛行機だけ。
あなたに会うまで、私の世界は真っ暗でした。
明日の希望さえ抱けない、絶望的な人生でした。
でも、あなたがいたから、私に残された時間は光に満ちていました。
ありがとう、そしてさようなら。
私は確かにあなたを愛していました。
今日も、どこかで笑っている、あなたへ。
できることなら、もう一度紙飛行機を折って、あなたに飛ばしたい・・・