小説

□心の鍵…解いてよ…
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「……………」
黙り込んで本を読む蓮を俺は横でじっと見ていた。
横顔も可愛いなぁ……蓮は…
見とれていると蓮に一喝された。
「貴様…そこにいられると気が散る…」
そう言って本をパタンと閉じた。
「あ…すまねぇ…」
でも蓮も蓮だよな。自分家に招いといて茶も出さずに本を読み始めやがってさ…
…って言ってる間に寝てるし…


「お〜い、れ〜んちゃ〜ん?」
腕を組んで眠っている蓮に思い切り聞こえるように呼んだ。
「…!なっなんだ!」
妙に驚いている蓮に俺は自然に笑顔…っていうかニヤけてしまった。
「なっなにニヤニヤしているのだ…」
焦る蓮に俺はますますニヤ〜っとしてしまった。
そしてプスっとケツを刺された。いててw


結局その日は茶も出されず帰った。
帰るのを見ていた蓮は悲しそうな表情をしていた。






「…え?またぁ?(ボリボリ)」
数日後蓮からまた家に招待するという電話が掛かってきた。
「せっかく招いてやっているんだ!…断ることは許さん!!」
…いやいや。嫌って誰も言ってないし。
「分かったよ。行きますよ。」
…でも何故?葉とか竜とかリゼルグとかも呼べばいいのに…
よし…俺が蓮の心の鍵を解いてやる…!




「お〜い!たのも〜!」
ギイィ…
扉がゆっくり開く。
そこに出迎えたのは蓮だった。
「貴様…敵と勘違いさせるようなことをするな。」
声で分かるだろ。普通。
蓮の部屋に連れてかれ、蓮が話しかけてきた。
「先日は茶も出さずに引き取らせてしまってすまなかった。」
…そんなのは気にしてなかった。
蓮の目的は何かが聞きたい。
「あぁ…そんなのいいよ。蓮がいてくれれば。」
なーに変なことを言ってんだ。俺
…………あれ?蓮の頬がほんのり赤く見えたのは気のせいか?
「………///」
なんだかソワソワしている蓮に言った。
「お前…何か言いたいことがあるなら言えよ。」
蓮はビクッと反応して何分か経って口を開いた。
「……付き合え。」
蓮が下を向きながら小さな声で言った。
「………?…どこに?」
スーパーとかショッピングに行くのか?
「…そうじゃない…意味が違う…」
もっもしかして…
心の鍵が少し解かれたか?
「あ、そっちの意味…」
蓮の頬が赤く染まった。
「ふ〜ん…いいよ。」
その時蓮は目をまん丸にしていた。
「そうと決まれば…」
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