冬に咲く華

□未来へ
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「う……ったぁ〜…。」



真っ暗だった。



まさか…私死んだの!?



いや…もしかして。



あれ、雷戦の時に見た十年バズーカーとかいうやつ??



…ってことは十年後?



あ…隙間かな。



光を見つけて手を伸ばして…。



―――ガシャン!!



「うわッ!?」



開いた。



慌てて体を起こす。



「ちょっ…っつーか寒ッ!?なん…!?」



慌てて口を閉じた。






この寒さまさか……。



「霊安室……?」



見れば、私が寝ていたのは…棺の中。



「私…死んだ…?」



いや、正確には…。







死んでいた。







「う……そ…。」



震えが止まらない。



体を押さえるようにしてうずくまってみても震えは止まってはくれない。



それは寒さか。



はたまた別の何かか。



「スクアーロ……助けて…。」



あてのない呟きであること位、分かってる。



でも…貴方の名前は私を安心させる。



知ってたかな…スクアーロ?





―――ビィィィィィ!!!



警報が鳴り響く。そのあとにもろもろのイタリア語が続く。



『遺体安置室に侵入者!!!直ちに隊員は現場に向かえ!!』



我に返った私は危険を感じ、氷月を握る。



「…行かなきゃ。」



この時、何かの異変に気づくべきだった。



5分なんかとっくの前に過ぎていることを。




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