冬に咲く華
□戦う理由
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「ベルってさ…。」
嵐戦が始まって間もなく。
沈黙を破ったのは千絵だった。
「戦うの好きだって言ってたよね。」
「あ゙ぁ。言ってたなぁ゙。」
「そういえばそんなこと、言ってたね。」
「それがどうしたのだ。」
「前から思ってたんだけど、ベルがナイフを投げるとき、一瞬躊躇している気がする。投げはじめたら別に無いけど…一投目は絶対に何かを躊躇ってる。」
「「「!?」」」
「何か…あるんだよね。きっと。」
「迷ってんだろぉ゙。」
「え?」
「自分の中で、何かが壊れる感じがするんじゃねぇかぁ゙?よく分かんねぇがなぁ゙。」
「…そっか。」
人の命を絶つ時。
人は自分を見失う。
そして自分が壊れるのを感じる。
モニターから、ベルの笑い声が響いた。
「…まずいよ。」
「やべぇなぁ゙。」
「むこうの嵐の守護者、終わったね。」
「ベルが覚醒したか。」
怒涛の攻撃が始まった。
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