冬に咲く華
□日本へ
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―――日本 メローネ基地
「え!?ヴァリアーがミルフィオーレに勝ったの!?」
ツナの声が響いた。
その場にいた全員がツナの方を向く。
「あぁ。今しがた、本部に連絡があったぞ。」
「ヤツら…やりますね!」
獄寺はツナに駆け寄って手をとった。
「喜んでるところ、水を差すようで悪いけど…。まだ素直には喜べないんだ。また、戦力を蓄えて…」
「その心配もねぇぞ。敵は撤退を始めたそうだ。」
「ほ、本当かい!?す…すごい!!これなら行けるぞ!!」
「チッ…急に態度変えやがって…。」
「それよりも…お兄さん、大丈夫かな…。」
ツナは心配そうに了平を見る。
さきの戦闘で意識不明になったのは了平だけではない。
山本も、ラル=ミルチもだ。
眠っているだけとは言え、ランボも少々ツナの気掛かりの一つだった。
「大丈夫。もうそろそろ…」
正一の言葉のあと…。
―――ぼふっ!!!
了平が寝ていた簡易ベッドがピンクの煙に包まれて…。
「極限にここはどこだー!!!!」
十年前の了平が現れた。
「お、お兄さん!!」
「げ、芝生頭…。」
「おぉ!!生きてたか、沢田にタコヘッド!!それにしてもここはどこだ?」
「しーっ!!後で説明してやるから今は黙ってろ!!」
「なんだとっ!!今説明しろ、タコヘッド!!」
「馬鹿に言って分かる話じゃねぇんだよ!!」
「アハハ…なんだか…騒がしいのな…。」
「山本っ!!大丈夫!?」
「あぁ…なんとかな。了平先輩も来たんすね。」
「あぁ!だが、極限に何が起こってるか分からんな。」
「とりあえず、これで守護者が全員…。」
「馬鹿言ってんじゃねーぞ、ダメツナ。」
リボーンの蹴りが炸裂。ホログラムのはずなのに…。
「いだッ!!な、なんだよ、リボーン!!」
「大切な守護者を忘れんじゃねぇ。」
「大切な守護者って…。」
「リボーンさん、何言ってんすか!!大空の十代目、嵐の俺、雨の野球馬鹿、晴の芝生、雷のアホ牛、雲の雲雀、霧の眼帯女。」
「あぁ…あの人じゃねぇか?あの…青蘭と戦ってた…。」
「そうだ、雪の守護者の千絵だ。」
「ですが、千絵さんはッ!!!」
草壁が少し焦った様に口を開いた。
「あぁ…その通りだよ。…ボンゴレ守護者の中で唯一、命を落としたんだ。」
「!?」
「そ、そんなッ!!!」
「でも…。十年前の彼女がもう既に来ているはずなんだ。」
「千絵も十年後に!?」
「アイツ、戦ってる時以外は割とぼーっとしてるからな。十年バズーカーを当てること位、簡単に出来るぞ。」
「じゃ、じゃあ…千絵は一体どこに…?」
「イタリアでヴァリアーと共に戦っていた筈だ。十年後の彼女の体はイタリアにあるからね。」
「?」
「千絵さんにとっては…イタリアが1番落ち着く故郷なんだ。」
「千絵…。」
「さて…。僕らは僕らでやらなきゃいけないことがある。綱吉君、ボックスはまだ持ってなかったよね。」
「あ…はい。」
「この時代のボンゴレ十代目から受け取った新たな力だ。心して受け取ってくれ。」
装置の真ん中が開く。
そしてオレンジ色の炎がツナに向かって飛んでいく。
「こ…これは…!」
大空のボンゴレボックス
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