冬に咲く華

□雪と霙と
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「なんで蛙となの…。」


「ミーは堕王子よりかは千絵さんの方がいいんでー。ま、ようやくミーの運も向いてきたってことですかねー。」


「失礼だね、フラン。」


千絵とフランは敵方の城内を走っていた。


いち早く、ミルフィオーレのボスを見つけて倒すため。


時折、ひょこひょこと出てくる敵を薙ぎ倒しながら走る。




「   氷柱ノ夢(ツララノユメ)   」




千絵が氷月を横に降ると、その場にいくつもの、氷柱があらわれた。


「新技ですかー??」


「まぁねっ!!!」


氷柱に当たった敵はバタバタと倒れていく。


「幻覚を見せてるの。精神的ショックでダウンしてらっしゃるはず。」


「(悪魔だ…。)」


千絵が氷月を鞘におさめると、氷柱はバリン、と割れた。


「氷月の妖気と、空間の水分子を使って氷柱を形成したの。」


「へぇ〜…。そーいえばー。千絵さん、ボックス兵器は使わないんですかー?」


「う〜ん…。まだ迷ってる。兵器って言っても、アイビスには自我がある。だから…」


そこで千絵は言葉をきった。


フランは不審に思って振り返る。


―――バキバキバキ!!!!


「!?」


目の前には大きな氷の山だった。


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