冬に咲く華
□過去と未来の狭間で
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「ん…。」
あれから数時間後。
再び目を覚ました千絵。
部屋には月明かりが差し込んでいた。
「…夜か。」
体を起こしてふと口元に違和感を感じた。
「酸素…マスク…。」
千絵の頭の中を駆け巡る疑問。
急に感じた、呼吸が出来なくなるような苦しみ。
そして、5分以上経ったはずなのに過去に戻らないこと。
「一体…何がどうなってるの…??」
―――ガラッ。
ドアが開いて、ザンザスをはじめとするヴァリアーのメンバーが入ってくる。
「体は?」
「大丈夫…だと思う。」
ザンザスはベッドの近くにあった椅子に座った。
「今、ボンゴレ本部から連絡が入った。…どうやら過去から来たのはお前だけではないらしい。」
「じゃあ…ツナ達もいるってこと??」
「あぁ。あいつらも、過去には帰れていない。」
「つまり…。私達は帰れないってこと?」
「…。」
黙り込むザンザス。
そして同じように視線をそらすメンバー達。
「…ハハハ…そっか…。もう…戻れないんだ…。」
乾いた笑いを零しながら再び、ベッドに横たわる千絵。
「そっか……。」
知らず知らず、涙が溢れた。
「なーに、弱気になってんのよ。」
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