冬に咲く華

□銀色の優しさ
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「千絵ッ!!!!!!」



観覧席に居たスクアーロが立ち上がって走り出す。



しかしケガが治ってるはずもなく、そのまま座り込んだ。



「ちょっ…おい、スクアーロ!!!落ち着けって!!」



「黙れぇ、跳ね馬ぁ゙!!!」



怒鳴れるが、動く事すらままならなかった。



「馬鹿ッ、無理して動くなよ!!!」



「うるせぇ゙…テメェに何が分かるってんだぁ゙!!!」



「ッ!?……スクアーロ…。」



「くッ…そぉ゙…なんで……届かねーんだぁ゙!!!」



「……黙れ、カス鮫。」



スクアーロの頭上から低い声が響いた。



ザンザスが気絶した千絵を抱えて立っていた。



「おい、跳ね馬。カスを看てた所へ連れていけ。」



「…分かった。」



ディーノについていったヴァリアーを見送る青蘭が不安げに呟いた。



「千絵…。」



すると、座り込んだ青蘭を囲むように獄寺と山本と笹川が武器を持って立っていた。
ただ、すでに雲雀はいなかった。


「テメェ…よくも騙してくれたな。」



「サイテーなのな。」



「極限に許せん!!!」



「み…んな…。」



今にも、3人が青蘭に攻撃を仕掛けそうだった。






「やめなよ!!!!」





ツナが青蘭の前に両手を広げて立ちはだかった。




「…確かに…青蘭ちゃんがしたことは…許せない。でも…青蘭ちゃんも…きっと辛かったんだと…思うんだ…。それに、俺達、仲間って言ってたじゃないか…。今さら、彼女を突き放すだなんて…それこそサイテーじゃないか…。」



「ツナ…。」



「…青蘭ちゃん。俺が…君を守るから…。普通に接してくれないかな…?」



「…あ…り…がとう…。ごめんなさい…。」



涙を拭いて笑った青蘭は、千絵の様に綺麗に笑った。




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