冬に咲く華
□戦う理由
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「ベル、頑張ってね。」
「しししっ♪俺王子だかんな?姫を泣かせるようなへまはしねーよ。」
「はいはい。……待ってるから。」
「なぁに心配してんだよ。千絵、老けた??」
そう言うと、ベルは千絵の頭を優しく撫でた。
そして。頬にキスをした。
「…待ってろよな、千絵姫。」
手を振ってヴァリアーのもとから離れて行くベルを見送る。
「(俺の気持ちは…これで充分。あとは、しょうがないから鮫にやるか。)」
ベルはそんなことを呟いた。
王子の初めての恋が
ガラス細工の様に
散っていった。
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