冬に咲く華
□未来からの伝言
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―――パサッ。
千絵はコートを羽織り氷月を握る。
「…行こうか。」
主に答えるかの様に氷月は鞘の中でカタリと動いた。
そんな様子を見て、千絵が微笑む。
「氷月…次は勝たせてあげるよ。リリスさんの時、負けちゃったんでしょ?」
私が、勝たせてあげる。
氷月に負けは似合わない。
そう、千絵は小さく呟いた。
「っていうか…。リリスさん、イタリア人なのに何故日本語なのかな…。」
氷月からの反応は無かった。
「おかしな話…。」
再び氷月がカタリと動く。
「何に同意したんだ、一体。」
刀と会話するのはなかなか難しい。
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