冬に咲く華

□未来からの伝言
1ページ/5ページ

―――パサッ。

千絵はコートを羽織り氷月を握る。



「…行こうか。」



主に答えるかの様に氷月は鞘の中でカタリと動いた。



そんな様子を見て、千絵が微笑む。



「氷月…次は勝たせてあげるよ。リリスさんの時、負けちゃったんでしょ?」





私が、勝たせてあげる。


氷月に負けは似合わない。





そう、千絵は小さく呟いた。



「っていうか…。リリスさん、イタリア人なのに何故日本語なのかな…。」



氷月からの反応は無かった。



「おかしな話…。」



再び氷月がカタリと動く。



「何に同意したんだ、一体。」




刀と会話するのはなかなか難しい。




Next→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ