冬に咲く華
□決意の瞳
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―――パタン。
千絵は部屋のドアをため息混じりに閉めた。
ルッスーリアの見舞いに行ったのだが、容態は変わっていなかった。
「はぁ〜…。」
気分転換が必要だとスクアーロに言われ、部屋を閉め出されてしまったわけだ。
「外行こ…。」
ヴァリアーのコートを着ずに、カッターシャツと黒のズボンで外に出る。
「軽い…。」
氷月も何も持たずにフラリと外に出る経験など千絵には無かった。
「…どこ行こうか…。」
千絵はボーッとする頭で並盛の街を歩いた。
「どこ…ここ。」
で、案の定迷った。
「あちゃ〜…またやっちゃった。」
スクアーロに怒られるぞ〜…と呟いたその時。
「千絵じゃねぇか。」
「リボーン!良かった〜…。」
「久しぶり…って訳でもねぇな。」
「うん、まぁね。」
「千絵、雪のリングは一体どうなってるんだ?アレはハーフリングにはなるはずねぇ。」
「…あるよ。本物のリングはね。ただ、アレは模造品なだけ。」
「…そうか。なら良い。お前以外は雪の守護者にはなれねぇな。」
「うん(笑)」
「ところで、お前暇か?」
「うん、暇。」
「次期ボスに挨拶だ。」
そう言った彼はニヤリと笑った。
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