冬に咲く華

□Battle on the ship
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「で?ラーデロさんは何が目的?」


千絵の冷たい声が響く。


16歳にしては随分と大人びている。


「俺達は、ボンゴレと手を組みたいんだ。」


千絵は任務内容を思い返す。




ラーデロファミリー


ボンゴレの座を狙う、中堅ファミリー。


麻薬を主とした悪行に手を染めている。


弱小ファミリーは潰すか下につけるか。


裏切りが多い。



千絵が一言告げた。



「断る。」


「なッ…!?」


「ボンゴレに何一つ利益が無いし。」


「ならば、次期ボスにはザンザスを推すことを約束する!!」




「…。」




千絵は迷った。


確かに、それは良い話だ。


ただ、ヴァリアーにとってだけ。


ボンゴレ10代目ボスにザンザスはなれない。


千絵は祖母、ユリンから聞いたのだった。


「それは確かに良い話。でもボンゴレの伝統を壊す訳にはいかない。」


「…そうか。ならば…。」



―――ガッ!



男が千絵を蹴り飛ばした。


「…った〜。」


壁に打ち付けられた千絵は頭を抱えて立ち上がり、相手を睨みつけた。


「フン、威勢が良いな。ガキの癖に。しかもお前は武器なんて持ってない。ただの小娘でしかない。」


「氷月無いことばれた…。」



いやいや、普通気付きますよ。



「大人しく認めるか?」


「誰が認めるか。あんた、馬鹿じゃないの?悪いけど、私は刀だけやってたアホじゃないから。」



そして走り出した千絵は男をピンヒールで蹴飛ばした。



すると男は取り巻きに何かを伝えた。



そして。



千絵の背後から大勢のラーデロの人達が入ってきた。



「ふーん…。そういうこと。」



千絵、大ピンチ。



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