冬に咲く華
□そして、歯車が回る。
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「急に呼び出したりして…何か用?」
私は目を擦りながら偉そうに座っているボスザンザスを見る。
寝起きにスクアーロの怒声、そして呼び出しと続いて、少々不機嫌だった。
「…リングの話だ。」
そう言うと彼は一つのハーフリングを取り出して私に投げた。
ハーフリングを受け取り模様を見れば見覚えがあった。
正確には、この完全な模様に見覚えがあるのだが。
「…どういうこと、これ。」
「それを聞くためだ。」
ザンザスの赤い瞳が私を捕らえて離さない。
半ば呆れた様にため息をついて、彼にハーフリングを投げ返す。
「随分精巧なレプリカだね。本物と大差ないし。」
「どうするつもりだ。」
「決まってるよ。クロフォード家の末裔としてどんな相手であろうと…息の根を止めるまで。」
目を閉じて呟くように言えば、楽しそうな笑い声が響いた。
「昔と性格が変わったな。」
「そう…かな。」
「ユリンがココにお前を入れるのを躊躇ったのはそのせいだった。」
「…昔はね。」
少し笑って言葉を続けた。
「でも今は違う。だって私は…」
雪の守護者―――……千絵=Croford
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