冬に咲く華
□私から私へ。
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「…そういうことだったんだ。」
便箋を畳んで封筒に戻して息をついた。
「とにかく…。アイツ…白蘭を倒さなきゃいけないんだ…。」
ふと浮かんだ10年前の彼の優しい笑顔。
「何があったの…白蘭。」
じんわりと涙が滲む。
「ダメ…泣いちゃダメ…。私は…雪の守護者なんだから…。」
手で目をこすって涙を拭き、顔を叩く。
「やらなきゃ。」
いくら相手が異母兄弟だとしても、甘えてはいけない。
敵は敵。
十年後の私だって戸惑ったはず。
ならば、今の私が出来ることは?
「決まってるじゃない。」
戦うこと。
End