冬に咲く華
□闇色の過去
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「こんな感じ…かな。」
千絵は一息ついて前に座る仲間達の反応をうかがう。
「それで…千絵は無事にボンゴレに来れた訳だな??」
レヴィの言葉に千絵はゆっくりと頷く。
「イタリアに来てから…九代目や、おばあちゃんに会った。でも…私は心を開こうとはしなかった。」
「どうしてだい??」
「嫌だったの…母を殺した琴塚家も…母を助けてくれなかったボンゴレも…この世のすべてが許せなかった…。もちろん自分自身が一番許せなかったんだけどさ。」
「そうよねぇ…。」
「どうしようもないと考えた九代目とおばあちゃんは強攻策に出た。それが……ヴァリアー入隊。」
「でも…俺が来た時には、既にお前は今みたいだったぜ??」
「誰かさん達がしつこくかまうんだもん…。そりゃあ…開かない心も呆れて開いちゃうよ。」
そう言うと、千絵は涼しい顔をしているザンザスと無視を決め込もうとするスクアーロを見た。
「「…。」」
「まぁ…結果的な話をするとね。」
千絵は笑った。
「皆に会えて本当に良かった。」
今、闇色の過去が少し明るくなった。
End