冬に咲く華

□それは必然の如く
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スクアーロSide



今までに感じたことのない重い殺気を感じた。



ザンザスを見たが、奴も驚いている様子だった。



じゃあ一体誰がこんな殺気を……




「口を慎んで頂きたい。」




冷めているが、どこか抑えようの無いような怒りを込めた声が聞こえる。





千絵だった。





そうか…この殺気はコイツのか。



「千絵…ちゃんッ!!??なんで…そんな所にッ!?」



「偽善者ぶるのやめなよ、見苦しい。」



蒼の瞳がキラリと光る。



正直思った。



恐ろしい…と。



「偽善者だなんて…酷すぎる!!!あたし、すごく心配してたのに!!」



「じゃあ…母を返してもらおうか。」



俺を含めたヴァリアーのメンバーに衝撃が走った。



「言ったはず。必ず…貴女の家は潰してみせると。」




”あんな家……潰してやるッ!”



幼い千絵がヴァリアーに来て、初めて見せた感情。



それは憎しみ。



今の千絵は、昔の千絵とよく似ていた。



まぁ…さしずめ刀を抜かなくなっただけ大人になったと思えば良いのか。



それにしても……コイツがキレたのは、一体何年振りだろうか…。




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